処方薬の効果と副作用

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カリーユニ点眼液(ピレノキシン)の効果と副作用

カリーユニ点眼液(一般名:ピレノキシン)は1992年から発売されている点眼液です。

カリーユニは、その主成分であるピレノキシンが白内障の進行を予防するはたらきを持ち、初期の白内障の増悪予防のために用いられます。

カリーユニ点眼液はどのような特徴のあるお薬で、どのような患者さんに使うお薬なのでしょうか。

カリーユニ点眼液の効果や副作用・特徴などを紹介していきたいと思います。

 

1.カリーユニ点眼液の特徴

まずはカリーユニ点眼液の特徴を紹介します。

カリーユニ点眼液は、白内障の予防効果を持つ点眼液になります。

同じ成分を持つ点眼液としては「カタリン点眼液・カタリンK点眼液(一般名:ピレノキシン)」があります。

どちらも薬効は同じですが、カリーユニはそのまま点眼液として使えますが、カタリンは自分でカタリン錠・カタリン顆粒を溶解液に溶かして点眼液を作らないといけないため、やや手間がかかります。

カリーユニの白内障予防効果は穏やかであり、白内障は初期の段階に対して用いられ、あくまでも「これ以上進行するのを予防する」のが目的で、白内障を治す力はありません。

しかしその分副作用も少なく、安全性は高いお薬となっています

以上からカリーユニ点眼液の特徴として次のような点が挙げられます。

【カリーユニ点眼液の特徴】

・効果は弱めで穏やかに効く
白内障の進行を予防する効果を持つ
・副作用は少なく、安全性は高い

 

2.カリーユニ点眼液はどんな疾患に用いるのか

カリーユニ点眼液はどのような疾患に用いられるのでしょうか。添付文書には、次のように記載されています。

【効能又は効果】

初期老人性白内障

カリーユニは「白内障の予防」のはたらきを持ったお薬です。

注意点として、あくまでも進行の予防であって、白濁した状態を透明に戻すという作用はありません。白内障を治すわけではなく、「今より悪くならないようにする」お薬になります。

白濁してしまった白内障を治療するには、白濁部を手術で切り取って眼内レンズを入れるという治療法が一般的です。

 

3.カリーユニ点眼液にはどのような作用があるのか

カリーユニ点眼液はどのような機序で白内障の予防をしているのでしょうか。

白内障というのは、眼の水晶体と呼ばれる部位が白濁してしまう疾患です。

その原因として最も多いのは加齢ですが、糖尿病やお薬(ステロイドなど)の副作用なども原因となることもあります。

なぜ水晶体が白濁してしまうのかというと、水晶体中の水溶性タンパク質がキノイド物質によって不溶性タンパク質に変性することが原因だという考えがあり、これを「キノイド学説」と呼びます。

カリーユニの主成分であるピレノキシンは、キノイドという物質のはたらきをブロックする作用を持ちます。

キノイド学説にのっとって考えれば、キノイド物質の作用をブロックすれば水晶体のタンパク質の変性を防げるため、白内障の予防になるはずです。

この考えから生まれたのがカリーユニです。

ちなみにカリーユニのような白内障に対する点眼液は、あくまで白内障の進行を予防しているに過ぎず、発症してしまった白内障を治す力はありません。白濁してしまった水晶体は、現状の医学では元に戻す事は出来ず、手術にて白濁部を除去し、眼内レンズを入れる方法が根本の治療になります。

 

4.カリーユニ点眼液の副作用

カリーユニ点眼液にはどんな副作用があるのでしょうか。

カリーユニの主成分であるピレノキシンは、安全性が非常に高い物質です。そのためカリーユニを点眼することで大きな副作用が生じることはほとんどありません。

生じる可能性のある副作用としては、

  • 眼のかゆみ
  • 羞明(まぶしさ)
  • 眼の刺激感
  • 結膜充血

などが報告されていますが、いずれも頻度は低く、ほとんどがカリーユニの点眼を中止すれば改善するような軽度の副作用になります。

 

5.カリーユニ点眼液の用法・用量と剤形

カリーユニ点眼液は次の剤型が発売されています。

カリーユニ点眼液(ピレノキシン)0.005% 5ml

カリーユニ点眼液の使い方は、

用時よく振り混ぜたのち、1回1~2滴を1日3~5回点眼する。

となっています。

 

6.カリーユニ点眼液が向いている人は?

以上から考えて、カリーユニ点眼液が向いている人はどんな人なのかを考えてみましょう。

カリーユニ点眼液の特徴をおさらいすると、

・効果は弱めで穏やかに効く
白内障の進行を予防する効果を持つ
・副作用は少なく、安全性は高い

などがありました。

カリーユニは、白内障の進行を穏やかに予防するお薬になります。劇的な効果は期待できませんが、安全性は高く穏やかに効くというメリットがあります。

ここから、程度が軽めの初期の白内障に対して、これ以上悪くならないように予防する場合に用いる点眼液として向いています。

なお白内障に対してカリーユニは、治療する効果はなく、あくまでも「これ以上悪くならないようにする」お薬です。白濁を治したい場合はカリーユニの点眼では不十分で、手術を検討する必要があります。

また同じ薬効を持つカタリン・カタリンK点眼液と比べて、点眼液を自分で作る手間がなくて済むため、簡便に使用したい方はカリーユニ点眼液の方が向いているでしょう。